住みながら売る?空室にして売る?どちらが高いかを条件別に整理
住みながら売るのと空室にしてから売るのは、どちらが高く売れるのか。内覧のしやすさ、生活感、二重ローンの負担を分けて整理し、買い替え特約や住み替えローンも含めて条件別に判断できる表にまとめました。
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「片づけながら内覧を受けるの、しんどそう」
「でも先に引っ越したら、ローンが2本になるんだよね」
住み替えを考え始めた人が、だいたい最初にぶつかる分かれ道です。ネットで調べると「空室のほうが高く売れる」と書いてある記事も、「住みながらで十分」と書いてある記事も出てきます。どっちなんだ、と。
ここを、データと制度で整理していきます。
この記事の目次
結論から言うと 🏠
この記事の結論
結論を3行で書きます。
- 「住みながら」か「空室」かだけで、売却価格が大きく動くわけではありません。 価格を決めているのは、売り出し価格の設定と、その物件そのものの条件です。
- ただし「空室」は、売主に月々のコストを積み上げます。 そのコストが、値下げを急ぐ理由になります。結果として空室のほうが安く着地することも、普通に起きます。
- だから判断は「どちらが高いか」ではなく、「あなたが何か月耐えられるか」で決まります。 残債・貯蓄・仮住まいの可否。この3つで自動的に答えが出ます。
先に断っておくと、この記事では相場の先行きについて断定しません。将来の値動きは誰にも読めないからです。過去の推移と制度の期限だけを扱います。
まず、あなたはどっちのタイプ?
読み進める前に、3つだけ確認してください。ここで答えがだいたい決まります。
質問1|売った代金で、今のローンを完済できそうですか?
残債が売却想定額を上回っている状態(いわゆるオーバーローン)だと、自己資金を足すか、住み替えローンを使うかの二択になります。この時点で選べる進め方が減ります。
質問2|仮住まいの費用を出せますか?
売り先行だと、引越しが2回、賃貸の初期費用、数か月分の家賃がかかります。都市部のファミリー向け賃貸なら、3か月の仮住まいでも100万円前後は見ておく必要があります。
質問3|二重ローンを何か月払えますか?
ここが一番シビアです。旧居のローンと新居のローンを同時に返す期間が発生します。「3か月なら」と「1年でも」では、取れる戦略がまったく違います。
この3つに答えると、記事後半の判断表がそのまま使えます。
なお、質問1で使う「売却想定額」は査定額のことではありません。査定額は不動産会社が出す見込みの数字で、売却価格そのものではありません。 ここは何度でも書きます。査定額が5,000万円でも、4,300万円で成約することはあります。
なぜ「空室のほうが高い」と言われるのか
理由は3つあります。順に、本当かどうかを見ていきます。
理由1|内覧の日程が自由になる
これは事実です。空室なら、不動産会社が鍵を預かって、平日でも夜でも案内できます。住みながらだと、内覧は土日の日中に集中します。
内覧の機会が増えれば、買主候補の母数が増えます。母数が増えれば、条件の合う人に当たる確率も上がります。ここは空室の明確な利点です。
ただし「機会が増える=価格が上がる」ではありません。増えるのは候補者の数であって、支払える金額ではないからです。
理由2|生活感がないほうが広く見える
これは、半分そのとおりで、半分逆です。
家具がないと部屋の輪郭がはっきりします。一方で、何もない部屋は面積の見当がつきにくく、かえって狭く感じるという話もよく聞きます。壁のクロスの日焼け跡、フローリングの傷、建具の擦れ。家具で隠れていたものが、全部見えるようになります。
住みながらのほうが有利な場面もあります。買主が「この間取りに、この大きさのソファが入るのか」を目で確認できる。売主本人に、近所の雰囲気やゴミ出しのルールを直接聞ける。中古住宅を買う人にとって、これは意外と大きい情報です。
つまり生活感は、片づけの度合いで決まるのであって、住んでいるかどうかで決まるわけではありません。ここで失敗しやすいのは、「住んでいるから仕方ない」と諦めてしまうことです。
理由3|売主が値下げを急がない
ここが本題です。そして、実際には逆に働きます。
空室にしているあいだ、売主は払い続けます。旧居のローン、管理費・修繕積立金、固定資産税、電気の基本料金。買い先行なら、これに新居のローンが乗ります。
3か月で決まらなかったとき、住みながらの売主は「もう少し待とう」と言えます。空室の売主は「来月も20万出ていく」と考えます。どちらが先に値下げを受け入れるかは、言うまでもありません。
空室は、売主の交渉体力を削ります。 買主側の不動産会社も、空室物件は「事情がある」と読みます。
二重ローンはいくらになるのか 💰
抽象的な話をやめて、数字にします。
前提を置きます。旧居の残債2,000万円・金利年0.8%・残り25年。新居の借入4,000万円・金利年0.8%・35年。どちらも元利均等返済とします。
元利均等返済の計算式に当てはめると、こうなります。
| 項目 | 月額(概算) |
|---|---|
| 旧居のローン返済(残債2,000万円・25年・0.8%) | 約7万4,000円 |
| 新居のローン返済(4,000万円・35年・0.8%) | 約10万9,000円 |
| 旧居の維持費(管理費・修繕積立金・固定資産税・電気基本料) | 約3万8,000円 |
| 合計 | 約22万1,000円/月 |
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3か月で売れれば約66万円。6か月なら約133万円。1年かかれば約265万円です。
ここで効いてくるのが金利タイプです。国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査」(令和5年度実績、1,191機関を対象に1,092機関が回答/回答率91.7%)では、個人向け住宅ローンの新規貸出のうち変動金利型が84.3%を占めています。二重ローンの期間中に適用金利が動けば、上の試算もそのまま動きます。固定で組んでいない限り、月額は「確定した数字」ではありません。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」も、金利タイプの選択と金利見通しの認識を継続して調べています。最新は2026年1月調査(公開日2026年2月20日)で、インターネット調査会社のモニターを使った調査です。母集団の性質が違うので、国交省調査と数字がそろわない点には注意してください。同じ「変動金利の割合」でも、調べ方が違えば数字は違います。
住みながら売るときの手順
ここからは実務です。1ステップ1動作で書きます。
手順1|相場を自分で確認する(不動産会社に連絡する前)
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、実際の取引価格が見られます。不動産取引の当事者へのアンケートを基に蓄積されたデータで、令和7年3月31日現在で約546万9,000件。中古マンション等だけで約89万4,000件あります。所在地(町・大字レベル)、取引時期、取引価格、面積、建築年などが公開されています。
ここで失敗しやすい: 取引価格は有効数字2桁に丸めて公開されています。5,280万円の取引は「5,300万円」として出ます。ピンポイントの価格を求める使い方には向きません。幅として読んでください。
手順2|査定は取るが、連絡手段を先に指定する
一括査定サイトを使うと、複数社から一斉に連絡が来ます。これは仕組み上そうなります。営業電話が来るのが嫌だ、という感覚は正当です。否定する必要はありません。
現実的な対処はこれです。
- 入力フォームの備考欄に「連絡はメールのみでお願いします」と明記する
- 電話番号欄に、普段使っていない番号(IP電話など)を入れる
- 依頼する会社数を絞る。6社に頼めば6社から来ます
それでも電話が来る会社はあります。来るものは来るという前提で、対応する時間帯を決めておくほうが消耗しません。
手順3|媒介契約を結び、レインズの登録証明書を受け取る
専任媒介・専属専任媒介を結ぶと、不動産会社はレインズ(不動産流通機構のデータベース)に物件を登録し、売主に登録証明書を交付します。
令和6年6月の宅地建物取引業法施行規則の改正で、令和7年1月1日から、宅建業者にレインズへの物件の取引状況の登録が義務付けられました。 さらに令和7年1月4日以降、登録証明書には2次元コードが記載され、売主専用画面にアクセスしやすくなっています(国土交通省 令和6年12月24日 報道発表)。
ステータスは「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類です。
ここが売主にとって重要です。 自分の物件が「一時紹介停止中」になっていないか、売主自身が確認できます。売却を任せた会社が自社の買主だけに紹介して他社に見せない、いわゆる囲い込みは、売主から見えないところで起きます。国がわざわざ売主向けリーフレットを作って登録証明書に2次元コードを付けたのは、そういう背景があるからです。登録証明書は受け取ったら必ずアクセスして、月に一度は確認してください。
手順4|内覧の受け入れ方を決める
住みながらの弱点は日程です。先に決めてしまいます。
- 案内可能な曜日・時間帯を、媒介契約時に書面で伝える
- 平日夜も受けられるなら、それを売りにする(他物件との差になります)
- 30分前連絡でOKにできるか検討する
手順5|見せる部屋を作る
全部きれいにする必要はありません。優先順位はこうです。
- 玄関(第一印象がここでほぼ決まります)
- 水回り(キッチン・浴室・洗面)
- 収納の中身(開けられます。7割の量まで減らす)
- 窓とバルコニー(採光の印象が変わります)
ここで失敗しやすい: 内覧中に売主が同席してずっと話しかけてしまうこと。買主は本音を言えなくなります。案内は不動産会社に任せて、質問があったときだけ答える距離感が向いています。
空室にしてから売るときの手順とコスト
空室を選ぶなら、コストの管理が仕事になります。
手順1|期限を先に決める
「いつまでに売れなければ、価格を見直すか、賃貸に切り替えるか」を、売り出す前に決めます。月22万円の負担なら、6か月が現実的な上限でしょう。決めずに始めると、ずるずる下げることになります。
手順2|電気は止めない
内覧のために照明が要ります。夕方の内覧で真っ暗な部屋を見せるのは、価格に響きます。基本料金は払い続けてください。水道も、排水トラップの封水が切れて下水のにおいが上がるのを防ぐために残す判断があります。
手順3|月1回は換気に行く
空室特有のこもったにおいは、内覧の印象を落とします。遠方で通えないなら、管理サービスの利用も検討することになります。
手順4|火災保険の契約内容を確認する
居住しなくなると、住宅物件としての扱いや補償条件が変わる場合があります。契約している保険会社に、空室予定であることを伝えて確認してください。ここは会社ごとに扱いが違います。
手順5|長期化したときの制度リスクを知っておく
数か月の空室で問題になることはまずありませんが、年単位で放置すると別の話になります。「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、管理不全空家等・特定空家等に対する措置の枠組みがあり、国土交通省は判断の参考となる基準を示す指針を公表しています。土地に係る固定資産税等についても、空家の除却等を促進するための措置が設けられています。売却活動中の数か月とは切り分けて考えつつ、「長引かせない」理由の一つとして頭に入れておいてください。
買い替え特約・住み替えローン・つなぎ融資 📋
二重ローンを避けるための道具が3つあります。
買い替え特約
新居の売買契約に付ける特約です。「一定の期日までに今の家が一定額以上で売れなかったら、新居の契約を白紙解除できる」という内容にします。
白紙解除になれば、手付金は返ってきます。買主都合の手付解除(手付金を放棄して解除)とは別ものです。
ただし、売主(新居の売主)がこの特約を受け入れてくれるかは別問題です。 売主から見れば、自分の物件が数か月拘束されたうえで白紙に戻るリスクを負うことになります。人気物件では断られます。新築分譲や、売り急いでいない個人売主の物件では特に難しくなります。
特約を付けるなら、次の3点を必ず書面で詰めてください。
- 期限(いつまでに売れなければ解除できるのか)
- 最低売却価格(いくら以上で売れることを条件にするのか)
- 通知の方法(誰にどう伝えれば解除が成立するのか)
この3つが曖昧だと、あとで「解除できるはずだった」ともめます。契約条項の解釈は個別性が高いので、最終的な文言は宅建士と、必要なら司法書士・弁護士に確認してください。この記事は一般的な説明にとどめます。
住み替えローン(買い替えローン)
売却代金でローンを完済できないとき、残った債務と新居の購入資金をまとめて借りる商品です。金融機関によって商品名も取扱いの有無も違います。
現実的な注意点を書きます。
- 借入額が物件価格を上回るため、審査は通常の住宅ローンより厳しくなります
- 旧居の売却と新居の購入を同日に決済する段取りが求められることが多いです
- 完済できない分を上乗せするので、返済総額は増えます
住宅金融支援機構の【フラット35】利用者調査は、借入申込書データを集計したものですが、2012年度以降は借換え案件を集計対象から除外していると明記されています。つまり、公表されている平均融資額などの数字は、住み替え・借換えの実態をそのまま表したものではありません。統計を自分のケースに当てはめるときは、母集団を必ず確認してください。
つなぎ融資
売却代金が入るまでの間、一時的に資金を借りる方法です。短期の借入なので金利負担は限定的ですが、事務手数料が別途かかります。取扱いは金融機関によって差があります。
うまくいかないときの分岐
売り出したあとに起きがちな症状と、対処を並べます。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 問い合わせが1件も来ない(2週間) | 売り出し価格が周辺の成約水準から外れている/掲載写真が少ない | 取引価格情報で近隣の幅を再確認。写真の枚数と明るさを見直す |
| 問い合わせはあるが内覧に至らない | 写真と間取り図で判断されて終わっている | 図面の情報量を増やす。周辺環境の説明を追加する |
| 内覧は来るが決まらない(5組以上) | 価格と現況のギャップ/内覧時の印象 | 内覧後の感想を会社経由でもらう。指摘が同じなら、その点を直すか価格に反映する |
| レインズのステータスが「一時紹介停止中」になっている | 売主が承知していない紹介停止の可能性 | 売主専用画面で確認し、理由を書面で説明してもらう |
| 他社から「紹介できない」と言われたと聞いた | 囲い込みが起きている可能性 | 媒介契約の内容と報告義務を確認。改善しないなら契約期間満了で見直す |
| 空室のまま3か月経過、負担が重い | 期限設定がないまま走っている | 価格見直しか、賃貸への切り替えか、期限を切って決める |
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ここで失敗しやすい: 反響がないときに、すぐ大幅値下げをすることです。下げ幅が大きいと「まだ下がる」と読まれて、買主が待ちます。下げるなら、下げる理由と幅を先に決めてから動いてください。
一次情報:制度の期限が判断を縛る 📊
住みながらか空室かの判断には、税制の期限が絡みます。ここは公式の記載を確認しておきます。
3,000万円特別控除の「3年」
国税庁のタックスアンサーNo.3302によれば、以前住んでいた家屋を売る場合、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること」が要件です。
家屋を取り壊して土地だけ売る場合は、さらに条件が加わります。譲渡契約が家屋を取り壊した日から1年以内に締結されていること、そして取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないことです。
つまり、空室にしたあと駐車場として貸してしまうと、この控除が使えなくなる可能性があります。「どうせ空いているから」と貸すのは、判断を狂わせます。
住宅ローン控除との併用はできない
同じくNo.3302に、3,000万円特別控除の適用を受ける場合は住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)が受けられない旨が記載されています。新居でローン控除を使うつもりなら、旧居の譲渡益がどれくらい出るかを先に計算しないと、有利不利が逆転します。
買い替えでは、ここが一番見落とされます。
買換え特例と譲渡損失の特例、そして食い違い
国税庁のタックスアンサーNo.3355「特定のマイホームを買い換えたときの特例」には、居住期間10年以上・所有期間10年超・売却代金1億円以下といった要件が記載されています。
ここで、情報源の食い違いがあります。 2026年9月3日時点で参照したNo.3355のページには、適用期限が「令和7年12月31日までの売却」と記載されています。一方、公益社団法人全日本不動産協会が解説する令和8年度税制改正大綱の内容では、この特例を含む3つの居住用財産の特例(特定居住用財産の買換え特例、居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算・繰越控除、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除)について、適用期限が令和9年(2027年)12月31日まで延長されたと説明されています。同資料では住宅ローン控除の適用期限も令和12年12月31日まで延長されたとされています。
どちらが現在の運用なのかは、この記事では断定しません。タックスアンサーの更新タイミングと改正の反映にはずれが生じることがあります。期限が判断を左右するケースでは、税務署か税理士に直接確認してください。 個別の税務判断はここではしません。
売却で損が出る買い替えについては、No.3370に損益通算・繰越控除の特例があります。所有期間5年超、以前住んでいた家屋なら住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、買換資産は床面積50㎡以上で償還期間10年以上の住宅ローンを有すること、繰越控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること、などの要件が並びます。「3年」がここでも出てきます。
住み替え世帯の資金規模
国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」(令和5年4月~令和6年3月に住み替え・建て替え・リフォームを行った世帯が対象、平成13年度から毎年度実施)の報道発表では、住宅の購入資金の平均は注文住宅が6,188万円で最も高く、分譲集合住宅が4,679万円。中央値は注文住宅5,030万円、分譲集合住宅4,500万円と公表されています。また、住宅の建築・購入・リフォームを契機に購入した耐久消費財の合計金額は、注文住宅で159万円、分譲戸建住宅で152万円です。
この耐久消費財の金額は、意外と効きます。 二重ローンの試算に、家電・カーテン・照明で100万円台の出費が重なります。「売れたら払う」つもりでいると、資金繰りが苦しくなります。
うちいくらの集計では 📊
ここからは、うちいくらが独自に集計した数字です。
集計方法: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」で公開されている不動産取引価格情報(中古マンション等)のうち、2025年1月~12月の取引を抽出。専有面積65~75㎡、建築年2001~2010年(取引時点で築15~25年程度)に該当する取引の価格の中央値を、市区単位で算出しました。取引件数が20件未満の市区は掲載していません。
| エリア | 成約価格の中央値 | 参考:70㎡換算の㎡単価 |
|---|---|---|
| 東京都世田谷区 | 6,100万円 | 約87万円 |
| 東京都練馬区 | 4,650万円 | 約66万円 |
| 神奈川県横浜市港北区 | 4,380万円 | 約63万円 |
| 埼玉県さいたま市浦和区 | 4,200万円 | 約60万円 |
| 千葉県船橋市 | 3,450万円 | 約49万円 |
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(2026年9月3日時点で公開されているデータをもとに集計)
この表を使うときの注意が2つあります。
1つ目。元データの取引価格は有効数字2桁に丸められています。したがって中央値も丸めの影響を受けます。「6,100万円」は「6,100万円ちょうどで売れる」という意味ではありません。
2つ目。同じ市区・同じ面積帯・同じ築年帯でも、価格の散らばりは大きいままです。うちいくらの集計では、上位25%の価格と下位25%の価格の比は、多くのエリアで1.25~1.35倍の範囲に入りました。世田谷区の例で言えば、下位25%が5,300万円台、上位25%が7,000万円前後という幅です。
つまり、駅距離・階数・向き・眺望・管理状態で、1,000万円以上動くということです。中央値は出発点であって、着地点ではありません。ここでも、査定額は売却価格ではないという話に戻ってきます。
条件別の判断表
ここまでを1枚にまとめます。
| あなたの条件 | 向いている進め方 | 理由 |
|---|---|---|
| 残債が少なく、仮住まい費用も出せる | 売り先行(住みながら → 引渡し → 仮住まい) | 価格交渉で焦らずに済む。買主を選べる |
| 残債が少なく、仮住まいは避けたい | 同時決済を狙う | 引越し1回で済む。段取りは大変だが費用は最小 |
| 残債が売却想定額を上回る | 住み替えローンの相談が先 | 完済できないと抵当権が外せない。同日決済が求められることが多い |
| 二重ローンを3か月未満しか払えない | 買い先行は避ける | 期限が短いと値下げを迫られる。空室の利点が消える |
| 二重ローンを6か月以上払える/自己資金に余裕がある | 買い先行(空室にして売る)も選べる | 内覧の自由度が上がる。リフォームもしやすい |
| 新居が絶対に譲れない物件 | 買い替え特約を交渉する | ただし売主に断られる前提で、代替案も用意しておく |
| 転勤など期日が動かせない | 同時決済 or 買い先行+期限設定 | 動かせないなら、動かせるほう(価格と期限)を先に決める |
| 遠方に住んでいて内覧に立ち会えない | 空室+鍵預け | 住みながらは物理的に無理がある |
| 室内の傷みが目立つ | 住みながら(家具がある状態) | 空室にすると傷が全部見える。家具がクッションになる |
| 間取りが特殊で使い方が伝わりにくい | 住みながら(生活の実例が見せられる) | 家具の配置そのものが説明になる |
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この表は「どれが優れているか」の順位ではありません。 条件と進め方の対応表です。同じ条件の人でも、家族構成や勤務先の事情で答えは変わります。
よくある質問
Q. 空室にしたほうが内覧の評価は上がりますか?
内覧の回数は増えやすいです。日程調整が不要になるからです。一方で評価が上がるかどうかは、室内の状態次第です。傷みが目立つ物件では、家具があったほうが印象が良いこともあります。「空室にすれば高くなる」という単純な関係はありません。
Q. ハウスクリーニングやリフォームはしたほうがいいですか?
水回りのクリーニングは、費用に対して印象の改善が見込みやすい部分です。一方、大規模なリフォームは、かけた費用がそのまま価格に乗るとは限りません。買主が自分の好みで直したいと考えるケースも多いためです。判断に迷うなら、媒介契約を結んだ会社に「この費用をかけたら、売り出し価格をいくら上げられると思うか」を数字で聞いてください。答えられない場合は、やらないほうが無難です。
Q. 一括査定を使うと、本当に営業電話が来ますか?
来る前提で考えてください。サイトの仕組み上、複数社にあなたの情報が渡ります。連絡手段の指定、依頼社数の絞り込み、専用の電話番号の用意。この3つで負担はかなり減らせますが、ゼロにはなりません。査定額の高さで会社を選ぶのも避けてください。査定額は不動産会社の見込みであって、その金額で売れる保証ではありません。 高い数字を出して媒介契約を取り、あとから値下げを提案する進め方も現実にあります。
Q. 売り出してから何か月で売れるものですか?
物件と価格設定によって大きく変わるため、一律の目安は出せません。ただ、進め方の判断としては「3か月ごとに見直す」という区切りが使いやすいです。媒介契約の有効期間が3か月以内と定められているので、契約の更新タイミングと重ねられます。
Q. 売却と購入、どちらを先に相談すべきですか?
順番としては、まず今の家の相場を自分で確認し、次に金融機関にローンの残債と借入可能額を確認するのが動きやすいです。買える金額が分からないまま新居を見に行くと、気に入った物件に引っ張られて判断が崩れます。 不動産会社への相談は、この2つが済んでからでも遅くありません。
住みながらか、空室か。この問いは、実は「高く売れるほう」を聞いているのではなく、「自分が耐えられるほう」を聞いているのだと思います。
月22万円を6か月払えるなら、空室は選択肢に入ります。払えないなら、住みながら片づける労力のほうが安く済みます。どちらを選んでも、査定額はまだ売却価格ではありません。 動き出す前に、取引価格情報で相場の幅を掴んで、ローンの残債を確認する。この2つだけは、不動産会社に連絡する前に自分でできます。
税金と登記の個別判断は、税理士・司法書士に確認してください。この記事は制度の一般的な説明までです。
出典
- 「住宅取得時に購入した耐久消費財の金額」などについて新たに調査しました!~令和6年度住宅市場動向調査の結果をとりまとめ~(国土交通省) 2026-09-03 閲覧
- 建設産業・不動産業:不動産取引価格情報提供制度(国土交通省) 2026-09-03 閲覧
- レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!(国土交通省) 2026-09-03 閲覧
- 住宅ローン、変動金利型の割合が継続的に増加 ~民間住宅ローンの令和5年度の実績を公表します~(国土交通省) 2026-09-03 閲覧
- No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁) 2026-09-03 閲覧
- No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例(国税庁) 2026-09-03 閲覧
- No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)(国税庁) 2026-09-03 閲覧
- フラット35利用者調査(住宅金融支援機構) 2026-09-03 閲覧
- 2025年度集計表(フラット35利用者調査)(住宅金融支援機構) 2026-09-03 閲覧
- 住宅ローン利用者の実態調査(住宅金融支援機構) 2026-09-03 閲覧
- 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報(国土交通省) 2026-09-03 閲覧
- 令和8年度 税制改正大綱 住宅・不動産関連の主な改正項目(公益社団法人 全日本不動産協会) 2026-09-03 閲覧
- 住宅関係報道発表資料(国土交通省) 2026-09-03 閲覧