レインズに登録されたか自分で確認する方法|売主用IDの使い方
専任媒介を結ぶと届く「レインズ登録証明書」。そこに載っている売主用IDとパスワードで、自分の物件の掲載状況と取引状況(紹介可否)をその場で確認できます。見るべき欄、異常だったときの伝え方、相談先までまとめました。
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媒介契約の書類の束。その中に、A4一枚の「レインズ登録証明書」が混ざっています。
たいてい、そのまま封筒に戻されます。読んでも意味が分からないからです。
でもこの紙の下のほう、小さな文字でURLとID、パスワードが印刷されています。これを使うと、あなたの家が不動産の業者間データベースにどう載っているか、スマホから自分で見られます。不動産会社に聞かなくても、です。
この記事の結論
登録証明書のIDでログインすれば、自分の物件の掲載内容と「取引状況」を自分で確認できます。
- まずやること → 登録証明書が手元にあるか探す(専任・専属専任なら交付が義務)
- 次にやること → IDとパスワードでログインし、「取引状況」欄を見る
- 変だったら → 「公開中」以外なら、その日のうちに担当者へ書面で確認
この記事の目次
登録証明書って、どの紙のこと? 🏠
最初につまずくのがここです。「そんな紙、もらってないけど」という人がかなりいます。
専属専任媒介契約と専任媒介契約を結ぶと、不動産会社にはレインズ(不動産会社どうしが物件情報をやりとりする全国ネットのシステム、という意味です)への登録義務が生まれます。登録すると機構から登録済証が発行され、これを売主に渡すところまでが業者の仕事です。国土交通省はこの書面を「登録証明書」と呼んでいます。
登録の期限は、専任媒介が契約日から7日以内、専属専任媒介が5日以内。宅建業法34条の2第5項と、施行規則15条の10第1項で決まっています。休業日は数えません。
証明書には登録番号のほか、売主専用の確認画面につながるURL、物件ごとの確認用ID、パスワードが載っています。2025年1月4日からは、ここに二次元コードも印刷されるようになりました。スマホのカメラを向ければ、ログイン画面まで飛べます。
探すときの目印は「登録済証」または「登録証明書」という見出しと、右上か左上の四角いコード。間取り図のPDFだけ渡されているなら、それは証明書ではありません。
東日本レインズ(東日本不動産流通機構)の公式トップページを見る(reins.or.jp)
売主用IDでログインして、どこを見るのか 📋
ログイン自体は1分で終わります。むしろ大事なのは、開いた画面のどこを見るかです。
売主専用画面で確認できるのは、登録されている物件情報の概要、図面(登録されていれば)、そして取引状況です。国土交通省のリーフレットでは、この取引状況の欄が緑の楕円で囲われて強調されています。そこが本丸だからです。
取引状況は3つの区分しかありません。国土交通省の資料でも、この3つが並んで示されています。
| 表示 | 意味 | 売主から見たときの読み方 |
|---|---|---|
| 公開中 | 他社が自由に問い合わせ・紹介できる状態 | ここが基本。売り出し中はこの表示であるはず |
| 書面による申込みあり | 購入申込書が出ている状態 | 担当者から申込みの報告を受けているなら整合する |
| 売主都合で一時紹介停止中 | 売主の事情で一旦止めている状態 | 自分が止めた覚えがないなら、その場で要確認 |
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この3区分は2016年1月から運用されています。つまり仕組み自体は10年前からある。ただ、使われてこなかった。
個人的にいちばん引っかかったのは、3つ目の「売主都合で」という表現です。売主の都合、と書いてあるのに、その登録操作をするのは売主ではなく不動産会社。ここに構造的なズレがあります。
覚えがないのに「一時紹介停止中」だったら 📊
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
国土交通省のリーフレットは、囲い込みの具体例としてこう書いています。「事実に反して『売主都合で一時紹介停止中』と虚偽登録し、他の業者への紹介を意図的に拒否する等」。役所の文書としてはかなり踏み込んだ書き方です。
なぜこんなことをするのか。理由はお金の流れにあります。
売主側と買主側の両方の仲介を1社で担うと、仲介手数料を両方から受け取れます。いわゆる両手仲介です。他社が買主を連れてくると、手数料は片方分になる。だから他社の問い合わせを断りたくなる動機が生まれます。
ここは、はっきり書きます。この動機は業界の構造から自然に出てくるもので、担当者個人の性格の問題ではありません。だからこそ、売主が自分で数字を見にいく意味があります。
2025年1月1日から、取引状況のレインズへの登録は宅建業者の義務になりました。同じタイミングで、国土交通省は「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」を改正しています。そこにはこう書かれました。
宅地建物取引業者が専属専任媒介契約及び専任媒介契約に基づき指定流通機構に登録した物件について、当該物件に係る取引の申込みの受付に関する状況等の登録内容が事実と異なるときは、法第65条第1項の指示処分の対象となる。
(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 新旧対照条文/令和7年1月1日施行)
指示処分は行政処分です。処分を受けると、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」に5年間掲載されます。会社にとって軽い話ではありません。
いつ、どれくらいの頻度で見ればいいのか ⏱
見るタイミングを決めておかないと、結局一度も開かずに終わります。逆に毎日開いても、数字はそう動きません。
専任媒介では2週間に1回以上、専属専任媒介では1週間に1回以上、不動産会社から業務処理状況の報告を受けることになっています。この報告が来る前日に画面を開いておくと、報告の内容と実際の登録が合っているかをその場で照らし合わせられます。
週1回、たとえば日曜の夜に取引状況だけ見る。所要時間は30秒です。これくらいなら続きます。
ひとつ補足を。相場の話とこの確認は別物です。売り出し価格が妥当かどうかは、取引実績から考えます。うちいくらが国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報(2024年1月〜12月・東京都世田谷区・中古マンション・専有面積65〜75平方メートル)を集計したところ、取引価格の中央値は5,300万円前後でした。あくまで成約した取引の分布であって、査定額とは別の数字です。査定額はそのまま売却価格になるものではありません。

異常があったとき、どう伝えるか 📋
感情的に詰めると、だいたい話がこじれます。淡々と、記録が残る形で聞くのがいちばん効きます。
文面は、これくらいで十分です。
○○様
お世話になっております。○○(物件名)の売主の△△です。
本日、レインズの売主専用画面を確認したところ、取引状況が「売主都合で一時紹介停止中」と表示されていました。私からの停止の依頼はしておりません。
現在の登録内容の理由と、「公開中」への変更予定日を、今週中にメールでご回答いただけますでしょうか。
ポイントは3つ。事実だけ書く。憶測を書かない。期限を入れる。
「囲い込みでは」と先に言ってしまうと、相手は防御に入ります。そうなると議論が長引く。事実確認の形で聞くほうが、直るまでが速い。
価格や面積の誤入力が見つかったときも同じ手順です。実際、2025年9月に国土交通省が業界団体に出した事務連絡では、登録期限の超過に加えて「媒介契約年月日の誤入力が一定数あったこと」が判明したと書かれています。単純な入力ミスは、それなりの頻度で起きているということです。
それでも修正されないときは、その会社の免許行政庁に相談します。免許番号が「国土交通大臣」なら地方整備局、「○○県知事」ならその都道府県の宅建業担当課です。国土交通省のサイトに窓口案内のページがあります。
登録証明書が来ない、IDが書いてない ⚠️
いちばん多いつまずきが、たぶんこれです。
Yahoo!知恵袋には、専任媒介を結んだ売主の相談が残っています。契約から7日目に確認したら、渡されたのは「レインズ登録用の図面(PDF)一枚」だけ。IDもパスワードもなく、媒介契約書の控えすら届いていなかった、という内容です。回答者のひとりは「レインズ登録証明書をもらってないならヤバイですよ」と書いています。質問者は最終的に「不信感を持つと継続できないので、専任契約を解除しました」とコメントを残していました。
別の相談では、売主専用画面に媒介契約年月日が表示されず、最終変更年月日だけが更新されていた、という細かい違和感が投稿されています。ここまで見ている売主は少数派ですが、見れば分かる、ということでもあります。
そして、こういう状態が例外ではないことを裏づける数字があります。
国土交通省が2025年3月に宅建業者へ実施したアンケートでは、ステータス管理機能について「約7割の事業者において売主への説明を実施していない場合がある」という結果が出ました。同省はこれを受けて、2025年9月12日付の事務連絡で、登録証明書を渡すときにリーフレットも一緒に渡すよう業界団体に改めて依頼しています。
つまり、説明されないまま紙だけ渡されるのは、珍しいことではない。担当者が隠しているとは限らず、そもそも制度を知らないこともあります。
請求するときの言い方も、身構えなくて大丈夫です。「レインズの登録証明書をいただけますか。売主専用画面で登録内容を確認しておきたいので」。これで通じます。
一般媒介(複数の会社に同時に依頼できる契約、という意味です)の場合は、そもそもレインズへの登録義務がありません。登録するかどうかは会社の判断になるので、契約前に「レインズには登録しますか」と聞いておくのが早いです。
会社選びの段階で気をつけること 💰
ここまでは媒介契約を結んだあとの話でした。まだ会社を決めていない人に、ひとつだけ。
一括査定サイトを使うと、登録した会社から一斉に連絡が来ます。6社に送れば6社から電話が鳴る、というのが実態です。仕事中にかかってくると、それだけで気が滅入ります。
対処はあります。申込フォームの備考欄に「連絡はメールのみでお願いします」「電話は平日19時以降のみ可」と先に書いておく。それでも電話をかけてくる会社は、その時点で相性が分かる、という見方もできます。
そして、これは何度でも書きます。査定額は売却価格ではありません。高い査定額を出した会社が高く売ってくれるとは限らず、媒介契約を取るために高めの数字を出す会社もあります。査定額の根拠として、近隣の成約事例が具体的に示されているかを見てください。
将来の相場がどう動くかについて、この記事では断定しません。公的な取引価格情報で過去の推移を確認したうえで、自分の事情(住み替えの時期、ローンの残り、相続の期限)から判断するほうが、はるかに現実的です。

よくある質問
Q. 一般の人がレインズで他の物件を検索することはできますか。
できません。レインズは宅建業者向けのシステムで、売主用のIDでログインしても見られるのは自分が売却を依頼した物件だけです。他人の物件の情報は表示されません。成約価格の傾向を見たいときは、国土交通省の不動産情報ライブラリなど、一般公開されているデータを使うことになります。
Q. IDとパスワードを紛失しました。どうすればいいですか。
まず依頼している不動産会社に連絡してください。登録証明書はシステムからPDFで再取得できる仕組みになっており、業者側で再発行の手続きが取れます。証明書自体を受け取っていない場合も、同じ窓口への請求になります。
Q. 「書面による申込みあり」に変わりました。売れたということですか。
購入申込書が出ている状態を示す表示で、売買契約が成立したという意味ではありません。申込みが入ったなら担当者から報告があるはずなので、報告と画面の表示が一致しているかを確かめてください。覚えのない申込みが表示されているなら、その日のうちに事実確認をしてください。
この記事のまとめ
- 専任・専属専任で契約すると、レインズ登録後に「登録証明書」が交付される。URL・確認用ID・パスワード・二次元コードが印刷されている
- 売主専用画面で見るべきはまず「取引状況」。表示は「公開中」「書面による申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つだけ
- 2025年1月1日から取引状況の登録は業者の義務。登録内容が事実と異なるときは宅建業法65条1項の指示処分の対象になる
- 確認は週1回・30秒で十分。業務報告の前日に見ると、報告と登録の食い違いに気づける
- 査定額は売却価格ではない。相場は公的な取引価格情報で確かめる
今日やること:書類の束から登録証明書を探して、二次元コードを読み取る。取引状況が「公開中」かどうかだけ、見てください。
出典
- 報道発表資料:レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!(報道発表資料本文・令和6年12月24日)(国土交通省 不動産・建設経済局不動産業課) 2026-09-29 閲覧
- 宅地や建物の(専属)専任媒介契約を締結したら レインズの「ステータス管理機能」を活用しましょう!(売主向けリーフレット)(国土交通省・東日本/中部圏/近畿圏/西日本不動産流通機構) 2026-09-29 閲覧
- 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(平成13年国総動第3号)新旧対照条文【令和7年1月1日施行】(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和7年4月1日施行版)(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- 事務連絡「レインズに関する周知事項について(依頼)」令和7年9月12日(国土交通省 不動産・建設経済局不動産業課(全国宅地建物取引業協会連合会 掲載)) 2026-09-29 閲覧
- 報道発表資料:レインズにおける取引状況の登録について(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- 不動産取引に関する消費者向けのお知らせ(媒介契約・レインズ・ステータス管理機能)(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- 不動産業:宅地建物取引業法 法令改正・解釈について(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- ネガティブ情報等検索サイト(宅地建物取引業者)(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- 建設産業・不動産業:窓口案内(都道府県/地方整備局)(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報・地価公示等)(国土交通省) 2026-09-29 閲覧
- Yahoo!知恵袋「専任媒介契約7日目、レインズ登録用の図面だけでIDやパスワードがない」という売主の相談(Yahoo!知恵袋) 2026-09-29 閲覧
- Yahoo!知恵袋「売主確認画面に媒介契約年月日が表示されない/最終変更年月日だけ更新されている」という相談(Yahoo!知恵袋) 2026-09-29 閲覧