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媒介契約は専任と一般どちらがいい?囲い込みとレインズ確認法

専属専任・専任・一般の3つの媒介契約を、売主の損得という一点で比較します。囲い込みが起きる構造を両手仲介の仕組みから説明し、レインズの登録証明書で自分の物件が本当に公開されているか確かめる手順まで解説します。

媒介契約は専任と一般どちらがいい?囲い込みとレインズ確認法

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「専任にすると囲い込まれるらしい」

売却を調べ始めると、だいたいこの話にぶつかります。それで一般媒介にしようかと迷う。でも一般だと本気で動いてくれないとも聞く。どっちなんだと。

ここ、本当に分かりにくいですよね。

結論を先に言うと、契約の種類そのものより「確認できる状態にしておくこと」のほうが効きます。しかも2025年1月から、その確認がかなりやりやすくなりました。順に説明します。

なお、この記事に出てくる価格・制度は2026年9月3日時点のものです。

この記事の目次
  1. 結論から言うと 🏠
  2. まず、あなたはどれに当てはまる?
  3. 3種類の媒介契約、法律上は何が違うのか 📋
  4. ここで失敗しやすい
  5. なぜ「専任だと囲い込まれる」と言われるのか 💰
  6. 一般媒介なら安全、とは言い切れない理由
  7. 2025年1月に変わったこと
  8. 手順:レインズ登録証明書で自分の物件を確認する 📊
  9. 1. 契約時に「登録証明書をください」と伝える
  10. 2. 登録期限を過ぎたら催促する
  11. 3. 証明書の3ページ目を開く
  12. 4. ログインして中身を見る
  13. 5. 特にステータスを見る
  14. ここで失敗しやすい
  15. うまくいかないときの分岐
  16. 一次情報:法律と省令はどう書いてあるか
  17. 情報が食い違っているところ
  18. うちいくらの集計データ 📊
  19. 自分の物件だとどうなるか
  20. 査定と営業電話の話
  21. 最後に

結論から言うと 🏠

3行でまとめます。

  1. 専属専任・専任を選ぶなら、レインズの「登録証明書」を必ず受け取る。 これは法律で交付が義務づけられた書面です。ここに、あなた専用のIDとパスワードが載っています。
  2. 一般媒介は囲い込みが構造上起きにくい代わりに、レインズ登録も定期報告も法律上の義務がありません。 何が起きているか見えにくい、という別の不便を抱えます。
  3. 2025年1月1日から、取引状況(ステータス)のレインズ登録が宅建業者の義務になりました。 事実と違う登録は、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象です。

つまり「専任は危ない、一般は安全」という単純な話ではありません。専任には監視する道具が用意されていて、一般にはそれがない。そういう構造です。

まず、あなたはどれに当てはまる?

読む前に、自分の状況を確認してください。

こういう状況 向きやすい契約 理由
早く確実に売りたい。売却活動を全部任せたい 専属専任・専任 レインズ登録と定期報告が法律上の義務になる
知人や親族に売る可能性が少しでもある 専任か一般 専属専任だと自分で見つけた相手と直接契約できない
人気エリアで、複数社を競わせたい 一般 複数社に同時に依頼できる
売り急いでいない。まず反応を見たい 一般 縛りが軽い。ただし報告義務もない
連絡のやり取りを最小限にしたい 専属専任・専任 窓口が1社に絞られる

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ひとつ先に言っておきます。査定額は売却価格ではありません。 査定はあくまで「このくらいで売れそうだ」という不動産会社の見立てです。契約の種類を選ぶ話と、いくらで売れるかの話は、いったん切り離して考えてください。

縛りが強いほど、会社側の義務も重くなる 専属専任媒介 1社のみ・自己発見× レインズ 5日以内 報告 週1回以上 専任媒介 1社のみ・自己発見○ レインズ 7日以内 報告 2週に1回以上 一般媒介 複数社OK・自己発見○ レインズ 義務なし 報告 義務なし 売主の自由度:小 売主の自由度:大 →

3種類の媒介契約、法律上は何が違うのか 📋

媒介契約(不動産会社に売却の仲介を任せる契約、という意味です)は3種類あります。宅地建物取引業法という法律で、それぞれ会社側の義務が決められています。

項目 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
ほかの会社にも同時に依頼 できない できない できる
自分で買主を見つけて直接契約 できない できる できる
契約の有効期間 3か月以内 3か月以内 法律上の制限なし
レインズへの登録 5日以内(義務) 7日以内(義務) 義務なし
業務の処理状況の報告 1週間に1回以上 2週間に1回以上 法律上の義務なし
登録を証する書面の交付 義務あり 義務あり 登録した場合のみ

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いくつか補足します。

レインズの登録期限に「休業日は数えない」というルールがあります。 契約日の翌日から数えて5日・7日ですが、その会社の定休日はカウントに入りません。水曜定休の会社に火曜日に専任で依頼すると、実際の登録期限は暦の上では8日目以降になることがあります。

一般媒介の有効期間は、法律と約款で扱いが違います。 宅地建物取引業法には一般媒介の期間制限がありません。ただし国土交通省が定める標準媒介契約約款では、専任と同じく3か月以内とされています。契約書がどちらに沿っているか、確認する価値があります。

報告は書面でなくても構いません。 法律は「報告しなければならない」と定めているだけで、方法は限定していません。メールでも電話でも法律上は報告です。だからこそ、後から見返せる形にしてもらうよう最初に頼んでおくと楽になります。

一般媒介には「明示型」と「非明示型」があります。 明示型は、ほかにどの会社へ依頼しているかを通知する義務がある形。非明示型は通知不要の形です。契約書のどちらにチェックが入っているか見ておいてください。

ここで失敗しやすい

専任媒介を結んだのに、登録証明書を受け取らないまま数週間が過ぎるケースです。宅地建物取引業法第34条の2は、指定流通機構に登録したときは「登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない」と定めています。もらえていないなら、それ自体が確認すべきサインです。

なぜ「専任だと囲い込まれる」と言われるのか 💰

ここが本題です。売主にとって不利になりうる仕組みが、報酬の受け取り方に隠れています。

不動産会社の報酬は仲介手数料です。売主だけから受け取るのが「片手」、売主と買主の両方から受け取るのが「両手」。両手になれば、同じ1件の成約で報酬がおよそ2倍になります。

ここに動機が生まれます。

自社で買主を見つければ両手。ほかの会社が買主を連れてくれば片手。だとすれば、ほかの会社に物件を紹介させないほうが会社にとっては得です。

これが囲い込みです。東京都宅建協会が伝える国土交通省の説明では、囲い込みは「売り主・買い主双方の媒介を行なうことを目的に、故意に物件の取引状況を隠し、売り主の意向に反して物件の紹介を行なわない行為」と定義されています。

典型的なのは、他社から「あの物件を紹介したい」と問い合わせが来たときに「すでに商談中です」と答えて断る、という形です。実際には商談などしていない。

売主 あなた 専任 A社 窓口の1社 レインズに登録 他社「紹介したい」 → A社は片手(報酬1) 「商談中です」と断る A社が自分で買主を探す → 両手(報酬2) 売主から見ると:買主候補の母数が減り、売却が長引く/価格を下げる方向の提案が来やすくなる 一般媒介では窓口が複数あるため、この遮断が成立しにくい

一般媒介なら安全、とは言い切れない理由

図のとおり、一般媒介は窓口が複数あるので遮断が成立しにくい。ここは事実です。

ただし一般媒介には、レインズ登録の義務も報告の義務もありません。東日本レインズのQ&Aによれば、一般媒介でレインズに登録されるのは「指定流通機構へ登録することとした一般媒介契約」の場合だけです。契約時にどちらか確認してくださいと案内されています。

登録されなければ、売主専用の確認画面にもログインできません。つまり一般媒介は、囲い込みのリスクを下げる代わりに、そもそも何が起きているか確認する手段を手放す選択でもあります。

さらに、複数社に依頼すると内見の調整や連絡がそのぶん増えます。売主側の手間は確実に重くなります。

2025年1月に変わったこと

ここは知っておくと立場が変わります。

国土交通省は令和6年(2024年)6月に宅地建物取引業法施行規則を改正し、2025年1月1日から、宅建業者に対してレインズへの物件の取引状況の登録を義務づけました。

登録するステータスは3つから選びます。

ステータス 意味
公開中 ほかの会社に紹介できる状態
書面による購入申込みあり 書面での申込みを受けている
売主都合で一時紹介停止中 売主の事情で紹介を止めている

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ポイントは3つ目です。「売主都合で一時紹介停止中」になっていて、あなたに心当たりがないなら、それは事実と違う登録です。

事実と異なる登録は、宅地建物取引業法第65条第1項に基づく指示処分の対象になります。兵庫県宅建協会の解説でも、不適切な登録・更新や虚偽の入力は監督行政庁による指示・指導・処分の対象になると説明されています。

もうひとつ。国土交通省は令和6年12月24日の報道発表で、売主向けリーフレットを作成したことと、令和7年1月4日から登録証明書に2次元コードを記載するシステム改修を行ったことを公表しています。売主専用画面へのアクセスを良くするためです。

なお、ステータス管理機能そのものは平成28年(2016年)に導入されていました。義務化されたのが2025年、という順番です。

手順:レインズ登録証明書で自分の物件を確認する 📊

専属専任か専任で契約したなら、この手順が使えます。1ステップ1動作で書きます。

1 登録証明書を 受け取る 交付は法律上の義務 2 3ページ目の 二次元コードを見る URLも併記 3 物件ごとのID・ PASSでログイン 売主専用画面 4 取引状況と 図面を確認 リアルタイム 対象は専属専任・専任媒介の売買物件のみ。賃貸は対象外

1. 契約時に「登録証明書をください」と伝える

契約の場で先に言っておくのが一番効きます。「レインズに登録したら証明書をもらえますか」と一言。宅地建物取引業法上、登録したら遅滞なく引き渡す義務があるので、断られる理由はありません。

先に伝えておくことには、もうひとつ効果があります。売主が確認する気があると分かる、ということです。

2. 登録期限を過ぎたら催促する

専属専任なら契約日の翌日から5日以内、専任なら7日以内。休業日は数えません。この期限を手帳に書いておいてください。

3. 証明書の3ページ目を開く

東日本レインズの案内によると、登録証明書には売主専用確認画面を開くための二次元コード・URLと、物件ごとに付与されたIDとパスワードが記載されます。2025年1月4日以降に発行されたものには二次元コードが入っています。

4. ログインして中身を見る

見られるのは、レインズに登録されている主な物件情報の概要、図面(登録されていれば)、取引状況と補足情報です。リアルタイムで反映されます。

5. 特にステータスを見る

「公開中」なら通常どおりです。心当たりのない「売主都合で一時紹介停止中」が出ていたら、それは会社に確認する場面です。

ここで失敗しやすい

「価格や間取りが合っているか」だけ見て安心してしまうことです。囲い込みで問題になるのはステータスと、そもそも図面が登録されているかどうか。物件概要だけ登録されていて図面がないと、他社の担当者は買主に見せる材料がありません。

うまくいかないときの分岐

症状ごとに書きます。

症状 考えられること まずやること
登録証明書をもらえない 登録が遅れている/登録していない 期限を示して書面での交付を依頼する。応じない場合は媒介契約書に記載の指定流通機構の事務局に問い合わせる
ログインできない 物件情報が削除された/成約報告された 東日本レインズのQ&Aによれば、削除や成約報告があるとログインできなくなる。会社に登録状況を確認する
ステータスが「一時紹介停止中」 事実と異なる登録の可能性 理由を文書で説明してもらう。2025年1月以降、事実と異なる登録は指示処分の対象
図面が登録されていない 他社が買主に見せる材料がない 図面登録を依頼する
内見がまったく入らない 価格設定/露出/囲い込みのいずれか 報告書で問い合わせ件数を確認。件数はあるのに内見ゼロなら露出以外の要因を疑う
報告が来ない 報告義務の不履行(専属専任・専任の場合) 法律上の頻度を示して依頼する。一般媒介には法律上の報告義務がない
一般媒介でレインズに載っていない そもそも登録する契約になっていない 契約書の登録に関する記載を確認。一般媒介では登録は任意

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途中で契約を切り替えることもできます。専任媒介の有効期間は3か月以内。更新は自動ではなく、依頼者からの申し出が必要です。何もしなければ期間満了で終わる、というのが原則の形です。

一次情報:法律と省令はどう書いてあるか

宅地建物取引業法 第34条の2が媒介契約のルールを定めています。

  • 第3項:「専任媒介契約の有効期間は、3月を超えることができない。」
  • 第5項:一定の期間内に「国土交通大臣が指定する者(以下『指定流通機構』という。)に登録しなければならない。」
  • 第6項:「登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない。」
  • 第9項:「業務の処理状況を2週間に一回以上(……専属専任媒介契約にあつては、1週間に一回以上)報告しなければならない。」

登録期限の日数は施行規則にあり、専属専任媒介が5日以内、専任媒介が7日以内。いずれも宅建業者の休業日は日数に算入しません。この点は全日本不動産協会埼玉県本部の解説でも、専属専任について「契約締結の日から休業日数を含めない5日以内に登録」と説明されています。

2025年1月1日施行の改正については、国土交通省が令和6年12月24日の報道発表で公表しています。「令和7年1月1日より、宅建業者に対してレインズへの物件の取引状況の登録を義務付けることとしました」「令和7年1月4日より2次元コードを記載するようシステム改修を行い、売主専用画面へのアクセスを向上させます」という記載です。

レインズの運営主体は国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構です。東日本エリアは公益財団法人東日本不動産流通機構が運営しています。一般消費者が直接検索できるシステムではなく、売主が見られるのは自分の物件の登録内容だけ、という設計です。

情報が食い違っているところ

一般媒介の有効期間は、法律と約款で扱いが違います。全日本不動産協会は「一般媒介契約では、有効期間についての法律上の制約はありませんが、国土交通省の定める標準媒介契約約款では、専任媒介契約と同じく3月以内で定めるものとしています」と説明しています。

つまり、法律だけを見れば無期限も可能です。契約書がどちらに沿っているかは、自分で見るしかありません。

うちいくらの集計データ 📊

ここからは当サイトの自主集計です。公的統計ではないので、参考値として読んでください。

集計方法:2024年1月〜2026年6月に当サイトへ売却の相談があり、成約まで追跡できた首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の中古マンション1,842件。媒介契約の種類は相談者の申告ベース。売却期間は媒介契約の締結日から売買契約の締結日まで。

媒介契約の種類 件数 売却期間の中央値 当初売出価格からの値下げ率(中央値)
専属専任媒介 312件 76日 3.1%
専任媒介 1,104件 82日 3.4%
一般媒介 426件 94日 2.6%

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読み方に注意が必要です。一般媒介は期間が長い一方で値下げ幅が小さい。これは「一般のほうが高く売れる」という意味ではありません。一般媒介を選ぶ人は売り急いでいない傾向があるという、選ぶ側の性質が反映されている可能性が高いからです。因果ではなく相関です。

もうひとつ。登録証明書の受け取り状況も集計しました。

状況 割合
契約時に説明があり、証明書を受け取った 61.2%
受け取ったが、専用画面にログインしていない 24.7%
受け取っていない・記憶にない 14.1%

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専属専任・専任で契約した1,416件が対象です。4分の1近くの人が、証明書は手元にあるのにログインしていません。 これはもったいない。IDとパスワードは、すでに配られています。

自分の物件だとどうなるか

参考までに、当サイト集計での成約価格の中央値を挙げます。同じ期間・同じ母集団からの抜き出しです。

エリア 専有面積70〜75㎡・築15〜25年の成約価格中央値
東京都世田谷区 6,480万円
東京都練馬区 4,920万円
神奈川県川崎市中原区 5,640万円
埼玉県さいたま市浦和区 4,380万円
千葉県船橋市 3,510万円

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70㎡・築20年の物件をお持ちなら、この帯が出発点です。ただし駅からの距離、階数、向き、管理状態で上下します。同じ区の同じ広さでも1,000万円以上ばらつくのは普通です。

そして繰り返しますが、査定額はここに載っている成約価格とは別物です。 査定額は不動産会社が出す見立てで、実際にその価格で売れることを保証するものではありません。

公的なデータで確かめたい場合は、国土交通省の不動産取引価格情報検索が使えます。実際の取引当事者へのアンケートに基づく成約ベースのデータです。

査定と営業電話の話

契約の種類を決める前に、複数社の話を聞くことになります。ここで一括査定サイトを使う人が多い。

一括査定サイトに登録すると、営業の連絡は来ます。 6社に依頼すれば6社から来ます。しかも早い。送信から数分で最初の電話が鳴ることも珍しくありません。

「電話は来ないと聞いたのに」と感じる方がいますが、不動産会社にとっては査定依頼が営業機会そのものなので、来るものは来ます。警戒するのは自然な反応です。

使える対処を書きます。

  • 依頼先の社数を絞る。 3社でも比較はできます。数を増やすほど連絡の総量が増えます
  • 備考欄に連絡方法を指定する。 「連絡はメールのみでお願いします」と明記する。応じるかは会社次第ですが、書いておくと減ります
  • 連絡可能な時間帯を書く。 「平日19時以降のみ」など
  • 査定用の連絡先を分ける。 サブのメールアドレスや電話番号を用意しておく
  • 訪問査定は絞る。 まず机上査定(現地に来ない簡易査定)で比べ、絞ってから訪問してもらう

そして査定額の見方です。極端に高い査定額を出した会社が、その価格で売ってくれるとは限りません。 媒介契約を取るために高めの数字を出し、契約後に値下げを提案する、という流れは実際にあります。

見るべきは金額より根拠です。「近隣の成約事例はどれですか」「この価格で何か月を想定していますか」「売れなかった場合の次の手は」。この3つに具体的に答えられるかどうかで、かなり見分けがつきます。

よくある質問

Q. 結局、専任と一般はどちらを選べばいいですか。

一概には決められません。判断材料としては、①レインズで状況を確認したいか、②複数社とやり取りする手間を許容できるか、③自分で買主を見つける可能性があるか、の3点です。確認する道具が用意されているのは専属専任・専任のほうです。手間の少なさも同じ。一方で、複数社を並走させたいなら一般になります。

Q. 専任で契約したあと、一般に変えられますか。

有効期間は3か月以内です。期間の満了をもって終了するのが原則で、更新には依頼者からの申し出が必要です。期間途中の解除については媒介契約書に定めがあるので、契約書の解除に関する条項を確認してください。費用の償還を求められる場合があります。

Q. 囲い込みをされているか、確実に見分ける方法はありますか。

確実な方法はありません。ただし手がかりはあります。レインズの売主専用画面でステータスと図面登録の有無を見る、報告書で問い合わせ件数と内見件数の推移を見る、という2つです。問い合わせは来ているのに内見がゼロという状態が続くなら、理由を説明してもらう場面です。

Q. 一般媒介でもレインズに登録してもらえますか。

できます。東日本レインズのQ&Aによれば、一般媒介で登録されるのは「指定流通機構へ登録することとした一般媒介契約」の場合です。契約時に登録を依頼し、契約書にその旨が記載されているか確認してください。登録されれば登録証明書も交付されます。

Q. 売却で税金がかかるか知りたいのですが。

譲渡所得の課税や特別控除には要件があり、取得費や所有期間、居住していたかどうかで扱いが変わります。制度の一般的な説明はできますが、個別の判断はできません。具体的な金額や適用可否は税理士、登記や相続がからむ場合は司法書士に相談してください。

最後に

媒介契約の種類選びは、「どれが得か」という問題に見えて、実は「何を確認できる状態にしておくか」という問題です。

専属専任・専任には、法律で定められた登録義務と報告義務があり、2025年1月からはステータス登録も義務になりました。売主が見る手段も用意されています。その道具を使うかどうかは、売主側に委ねられています。

一般媒介には縛りがない代わりに、その道具もありません。

どちらを選ぶにせよ、契約書の有効期間・レインズ登録・報告頻度の3か所は、署名する前に読んでおいて損はありません。

(本記事の制度・数値は2026年9月3日時点のものです。制度は改正されることがあります)


参照した資料