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不動産一括査定の営業電話は何件くる?仕組みと実際に効く3つの対処

一括査定を申し込むと、なぜ複数社から一斉に電話が来るのか。申込情報が提携会社へ同時配信される仕組みを説明したうえで、連絡方法の指定・時間帯の指定・匿名査定という現実的な選択肢と、宅建業法上の断り方を整理しました。

不動産一括査定の営業電話は何件くる?仕組みと実際に効く3つの対処

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「一括査定を押した瞬間、スマホが鳴りっぱなしになるらしい」

そう聞いて、指が止まっている人は多いと思います。ここ、警戒して正解です。仕組みを知らないまま申し込むと、実際に来ます。

ただ、来る量は自分でかなり調整できます。この記事では、なぜ電話が来るのかという構造の話と、申込前・申込時・申込後の3段階でできることを分けて書きます。

この記事の目次
  1. 結論から言うと 🏠
  2. この記事が当てはまる人/当てはまらない人
  3. なぜ、押した直後に鳴るのか 📞
  4. 「1社あたり1本」では終わらないことがある
  5. うちいくら編集部の集計では
  6. 手順:申込前・申込時・申込後でやることが違う 📋
  7. ステップ1(申込前):先に公的データで相場を見る
  8. ステップ2(申込前):申し込む社数を先に決める
  9. ステップ3(申込時):備考欄に、連絡方法と時間帯を書く
  10. ステップ4(申込時):電話番号は、可能なら通話用の別番号にする
  11. ステップ5(申込後、24時間以内):来た電話に、1回は出る
  12. ステップ6(申込後):査定額が出そろったら、根拠を聞く
  13. もう鳴り始めている人へ:症状別の対処
  14. 断り方には「効く言い方」がある ⚖️
  15. 時間帯にもラインがある
  16. 条文番号の食い違いについて
  17. それでも止まらないときの窓口
  18. 一括査定とは別種の危険:かかってきた電話から始まる話
  19. 個人情報のルールは、どこまで守ってくれるのか
  20. 選定基準
  21. 比較
  22. 匿名査定の実際の仕組み
  23. 大手だけに絞るという選択
  24. 相場だけ知りたいなら、査定を飛ばしていい 🗾
  25. うちいくらの再集計例
  26. 売主が不利になりやすい仕組みの話
  27. 両手仲介と囲い込み
  28. 査定額の吊り上げ
  29. 最後に

結論から言うと 🏠

3行でまとめます。

  1. 電話の件数は「申し込んだ会社数」でほぼ決まります。 6社選べば6社から来ます。仕組み上、そうなっています。
  2. 申込フォームの段階で、連絡方法と時間帯は指定できます。 備考欄に書けるサイトが多く、指定を守るかどうかは会社ごとに差がありますが、書かないより明確に減ります。
  3. そもそも電話番号を渡したくないなら、匿名査定か公的データという別ルートがあります。 精度は落ちますが、相場の当たりをつけるだけなら足ります。

そして、これは最初に書いておきます。査定額は売却価格ではありません。 各社が「この額なら売れるだろう」と考えた予想値であって、その額で買主が現れる保証はどこにもありません。すまいValueの公式サイトにも、実績例の注記として「査定金額を保証するものではありません」と明記されています(すまいValue トップページの実績表示部分、2026-09-02時点)。

申込社数と連絡の関係 通常の一括査定 氏名・電話番号を入力 選んだ会社数ぶん、連絡が届く 6社選べば、6社から 匿名査定 物件情報とメールのみ 結果は専用ページで受け取る 電話番号を渡さない

この記事が当てはまる人/当てはまらない人

先に確認させてください。読み進める前に、自分がどこにいるかを決めておくと迷いません。

あなたの状況 この記事は
まだ売ると決めていない。相場だけ知りたい 当てはまります。 匿名査定・公的データの章から読んでください
売る方向だが、まだ会社を絞れていない 当てはまります。 手順の章がメインです
すでに媒介契約(不動産会社に売却を任せる契約のこと)を結んだ 一部だけ。断り方の章が役に立ちます
一括査定に申し込んで、すでに着信が続いている 当てはまります。 「もう鳴り始めている人へ」の章へ
突然かかってきた電話から売却の勧誘を受けている 別の話です。国民生活センターの注意喚起を先に読んでください(後述)

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なぜ、押した直後に鳴るのか 📞

「送信したら3分で1件目が鳴った」。これは会社が超人的に速いわけではありません。申し込んだ時点で、あなたの情報はもう各社の手元にあるからです。

一括査定サイトは、あなたと不動産会社を仲介する立場です。あなたが入力した物件情報と連絡先を、選択した提携会社へまとめて渡します。渡した後の連絡は、各社が自社の判断で行います。サイトが1社ずつ順番に取り次いでいるわけではありません。

HOME4Uの公式サイトを見ると、申込みの流れは「①物件情報の入力 → ②連絡先の入力 → ③不動産会社の選択 → ④査定結果の連絡」の4ステップで、一度に最大6社まで依頼できると書かれています。提携社数は約2,500社です(HOME4U 不動産売却、2026-09-02時点)。

運営元であるNTTデータ・ウィズの「個人情報の取り扱いについて」にも、査定を行うためにパートナー企業へ情報を提供する旨と、利用目的にメール・ダイレクトメール・SNSでの情報提供が含まれることが記載されています(HOME4U 個人情報の取り扱いについて、2026-09-02時点)。

つまり、「情報が渡ること」自体はサービスの前提なんです。ここを隠しているサイトはむしろ少なくて、たいてい規約や個人情報ページのどこかに書いてあります。読まれていないだけです。

「1社あたり1本」では終わらないことがある

もうひとつ知っておいてほしいのが、連絡が1回で終わるとは限らないことです。査定額を出すには、物件の状態を確認したい会社が多い。管理費、修繕積立金、リフォーム歴、駐車場の有無。これを電話で聞き取ろうとします。

さらに、査定結果を伝える電話、訪問査定を提案する電話、その後のフォローの電話と続くことがあります。件数の感覚としては「申込社数 × 1〜3本」を見込んでおくと、心の準備がしやすいと思います。

うちいくら編集部の集計では

参考として、当編集部の集計値を出しておきます。

集計方法: うちいくらの売却相談フォームに2026年1月〜6月に寄せられた投稿のうち、「一括査定サイトを使った」と本人が明記していた324件を、編集部が手作業で分類したもの。無作為抽出ではなく、相談を寄せた人に偏った母集団です。件数の絶対値ではなく、傾向として読んでください。

項目 集計値(n=324)
申し込んだ会社数の中央値 4社
「申込当日に1件以上の着信があった」と書いていた割合 68%
初回の連絡手段が電話だった割合 71%
「備考欄でメール連絡を希望した」と書いていた割合 23%
そのうち「電話が来なかった/1社のみだった」割合 61%

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備考欄に書いた人のうち6割は、電話をほぼ回避できていました。逆に言えば、4割には電話が来ています。 指定すれば必ず守られる、とは書けません。

手順:申込前・申込時・申込後でやることが違う 📋

ここからが本題です。段階ごとに、1ステップ1動作で書きます。

ステップ1(申込前):先に公的データで相場を見る

査定を申し込む前に、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で近隣の実際の取引価格を見ておいてください。

https://www.reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices/

このデータは、国交省が不動産の取引当事者へアンケート調査を行い、物件が特定できないよう加工したうえで公表しているものです。地図表示は直近5年分、検索画面では平成17年7月以降のデータを扱えます(不動産情報ライブラリ コンテンツの出典、2026-09-02時点)。

ここで失敗しやすい: このデータは「アンケートに回答した人の分」だけです。全取引が載っているわけではありません。また、成約価格そのものであって、売出価格とは違います。値引き交渉後の着地額だと思ってください。

先にこれを見ておくと、後で会社から出てきた査定額が高すぎるか低すぎるかを、自分で判断できます。この順番が大事です。

ステップ2(申込前):申し込む社数を先に決める

6社に申し込むか、2社にするか。ここで電話の総量が決まります。

決め方の目安を置いておきます。

状況 目安の社数 理由
売る時期が決まっていない 1〜2社、または匿名査定 情報収集段階で6社ぶんの対応は重い
3〜6か月以内に売りたい 3〜4社 査定額のばらつきを見るには複数必要
立地が特殊(郊外・農地・築古戸建て) 4〜6社 対応できる会社が限られるため母数を増やす

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ここで失敗しやすい: 「多いほど高く売れそう」と考えて上限まで選ぶこと。査定額が高い会社が高く売ってくれるとは限りません。むしろ、媒介契約を取るために相場より高い額を提示する会社もあります。契約後に「反応がないので値下げしましょう」と言われる展開は、業界では珍しくありません。

ステップ3(申込時):備考欄に、連絡方法と時間帯を書く

多くのサイトには「ご要望・備考」欄があります。ここが唯一、あなたが条件を書ける場所です。

書く内容の例:

現在は情報収集の段階です。連絡はメールのみでお願いします。 電話が必要な場合は、事前にメールでご連絡ください。訪問は希望しません。

時間帯も指定するなら、こう足します。

やむを得ず電話をいただく場合は、平日18時〜20時にお願いします。日中は電話に出られません。

ここで失敗しやすい: 「なるべくメールで」と書くこと。「なるべく」は解釈の余地を残します。「メールのみ」と言い切ってください。丁寧に書く必要はありますが、曖昧にする必要はありません。

ステップ4(申込時):電話番号は、可能なら通話用の別番号にする

携帯キャリアの副回線サービスや、050番号を取れるアプリを使えば、売却検討用の番号を分けられます。売却が終わったら止めればいい。

ここまでやる人は多くありませんが、「番号を渡すこと自体が怖い」という人にはいちばん効きます。

ステップ5(申込後、24時間以内):来た電話に、1回は出る

意外に思われるかもしれませんが、これが結果的にいちばん早く静かになります。

出ずに放置すると、会社は「つながらないだけ」と判断して再度かけてきます。1回出て、こう言えば終わります。

メールのみでお願いします。お電話は今後不要です。

この一言には法的な意味があります。次の章で説明します。

ステップ6(申込後):査定額が出そろったら、根拠を聞く

金額の数字だけを比べても意味がありません。聞くべきはここです。

  • どの成約事例を根拠にしたか(何年何月・何㎡・築何年・成約価格)
  • 想定している売却期間は何か月か
  • その価格で売れなかった場合、いつ、いくらまで下げる想定か

3つ目を聞くと、会社の姿勢がかなり見えます。「下げる前提の話はしません」と答える会社と、具体的な期間と幅を答える会社では、後の進み方が変わります。

3段階の対処 申込前 公的データで相場を見る 申し込む社数を決める ここで総量が決まる 6社なら6社ぶん来る 申込時 備考欄に「メールのみ」 電話可の時間帯を書く 「なるべく」は書かない 言い切る形にする 申込後 1回は出て意思を伝える 査定額の根拠を聞く 放置は逆効果 かけ直される

もう鳴り始めている人へ:症状別の対処

すでに着信が続いている場合。症状ごとに整理します。

症状 起きていること 対処
申し込んだ社数より多い会社から来る 提携会社が、さらに自社グループの別会社に振っているか、別ルートで取得した情報が重なっている 会社名を聞き、「どこで私の連絡先を知ったか」を確認する
断ったのに翌週また来る 担当者が変わって引き継がれていないか、意思表示が「今回は結構」と受け取られている 「御社からの勧誘は今後すべて不要です」と、範囲を広げて伝える
夜9時以降にかかってくる 規則上、問題になり得る時間帯 時間を記録し、社名・担当者名を控える
何度も訪問を打診される 訪問査定の獲得が目標になっている 「訪問は希望しません。書面かメールでお願いします」と一度で伝える
相場よりかなり高い査定額を出してきた 媒介契約獲得のために高めに出している可能性がある 根拠事例の提示を求める。出せない会社は判断材料が乏しい
家族名義の物件について連絡が来る 申込者と所有者がずれている 名義人本人でないと手続きが進まないことを伝える

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断り方には「効く言い方」がある ⚖️

ここ、知っている人が驚くほど少ないところです。

宅地建物取引業法は、勧誘に関する禁止事項を定めています。相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示したにもかかわらず、勧誘を続けることが禁止されています(宅建業法47条の2第3項および施行規則16条の11第1号ニ)。

東京都住宅政策本部が公表している資料には、この「再勧誘の禁止」について、意思の示し方によって禁止される範囲が変わると明記されています。

あなたの言い方 禁止される範囲
「投資用マンションは結構です」 投資用マンションの勧誘のみ
「マンションの勧誘は結構です」 投資用・居住用を含むマンションの勧誘
「御社からの勧誘は結構です」 その業者からの勧誘すべて

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(出典:投資用不動産等の取引業務に関する禁止事項について 東京都住宅政策本部、2026-09-02時点)

つまり、「今は考えていません」と言うより、「御社からの勧誘は今後すべて不要です」と言ったほうが、範囲が広くなります。言い方を変えるだけです。

時間帯にもラインがある

同じ資料には、「迷惑を覚えさせるような時間」とは、一般的には相手方の承諾を得ている場合を除き、夜21時から朝8時である、と書かれています(施行規則16条の11第1号ホ)。この時間帯に電話や訪問で勧誘を始めることは禁止行為にあたります。

ただし注意点もあって、この規定は不適当な時間に勧誘を「開始」することを禁止するものです。勧誘の途中で21時を回っても、それ自体は禁止行為の対象にならない、と解説されています。長電話に付き合う理由はどこにもありません。切っていいです。

勧誘の電話を開始してはいけない時間帯 勧誘の電話・訪問を「開始」できない時間帯 開始できない この間なら可 不可 0時 8時 21時 24時 ※相手方の承諾を得ている場合を除く(施行規則16条の11第1号ホ) ※途中で21時を過ぎること自体は禁止行為の対象外とされている

条文番号の食い違いについて

調べていて気づいた点を、そのまま書いておきます。

国民生活センターが2021年6月に出した資料では、再勧誘の禁止の根拠として「宅地建物取引業法施行規則第16条の12 一号のニ」が引かれています。一方、東京都の資料では「第16条の11第1号ニ」です。

これは東京都の資料に注記があり、施行規則の改正により第16条の12が現在は第16条の11に繰り上がったためだと説明されています。中身は同じものを指しています。古い記事や資料を読むときは、番号がずれている可能性があると思っておいてください。

最新の運用解釈は、国交省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」で公表されています(2026-09-02時点で令和8年4月1日以降対応版が掲載)。

それでも止まらないときの窓口

行政の窓口があります。

  • 国土交通大臣免許の業者: 各地方整備局。関東の場合は関東地方整備局 建設産業第二課(案内ページ、2026-09-02時点)
  • 都道府県知事免許の業者: 各都道府県の宅建業免許担当部局
  • 消費生活全般: 消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通の番号。年末年始の12月29日〜1月3日を除き原則毎日)

国民生活センターのFAQでも、不動産の勧誘については「迷惑なので勧誘しないでほしい」「自宅は売りません」と明確に伝えること、知らない番号からの電話に出ない、通話録音装置や迷惑電話対策機能を活用することが挙げられています(しつこい勧誘(消費者トラブルFAQ)、2026-09-02時点)。

一括査定とは別種の危険:かかってきた電話から始まる話

ここは一括査定の話ではありませんが、必ず知っておいてほしいので書きます。

国民生活センターは2021年6月24日、「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」という報道発表を出しています。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられた、契約当事者が60歳以上である自宅売却の相談件数は、2016年度571件、2017年度564件、2018年度657件、2019年度616件、2020年度610件。2020年度は、相談全体に占める70歳以上の割合が52.3%にのぼっています。

相談事例として挙げられているものは、かなり重いです。

  • 突然2人で訪ねてきた業者に、朝10時から夜9時半まで居座られた(2021年1月受付・80歳代)
  • 「有利な話がある」と電話があり、訪問後、夜11時頃まで夕飯も食べずに勧誘され、意識がもうろうとしてきて契約書にサインした(2020年12月受付・80歳代)
  • 「登記情報を参考に連絡している」というはがきが届いた。売却は全く考えていないのに強引な感じで迷惑(2019年12月受付・70歳代)

そして、この資料でいちばん重要な指摘がこれです。

消費者が不動産業者に自宅を売却した場合には、宅地建物取引業法に定めるクーリング・オフができず、売買契約が成立してしまうと、無条件で契約を解除することはできません。

(出典:高齢者の自宅の売却トラブルに注意 独立行政法人国民生活センター、2021年6月24日)

不動産登記は誰でも閲覧できるため、業者が登記簿を確認して、売却を望んでいない所有者に勧誘を行うことがある、とも書かれています。自分から一括査定に申し込んでいなくても、勧誘の電話やはがきは来ることがあります。 この2つを混同しないでください。

自分で申し込んだ査定の連絡と、突然かかってきた勧誘は、別物です。後者は、その場で契約の話に進めないことが最優先です。

個人情報のルールは、どこまで守ってくれるのか

「渡した情報はどうなるの?」という疑問に、制度の側から答えます。

個人情報保護法では、個人データを第三者に提供する場合、原則として本人の同意が必要です。一括査定サイトが提携会社へ情報を渡せるのは、あなたが申込時に同意しているからです。フォームの下にある「利用規約と個人情報の取扱いに同意する」のチェックが、それです。

さらに、提供する側・受け取る側の双方に記録の作成義務があり、保存期間は原則3年(作成方法により1年の場合もあり)と定められています(個人情報保護委員会 第三者提供時の確認・記録義務編ガイドライン、2026-09-02時点)。

また、本人の同意なしに第三者提供を行う「オプトアウト」という制度もありますが、これを使う事業者は、氏名・住所・代表者名、個人データの取得方法、本人の求めに応じて提供を停止すること、その受付方法を本人に通知するか容易に知り得る状態に置いたうえで、個人情報保護委員会に届け出る必要があります(個人情報保護委員会 オプトアウト規定による第三者提供の届出、2026-09-02時点)。

ここが読者にとって重要です。 「どこで私の連絡先を知ったのか」は、聞いていい質問です。答えられない、あるいは曖昧にする会社があったら、そこで距離を置いていい判断材料になります。

なお、一括査定サイト側の規約は、サイトによって記載の粒度がかなり違います。SUUMOの場合、総合の「ご利用規約」(最終改定2025年10月1日)には資料請求サービスや免責事項の条項がありますが、売却査定に固有の第三者提供条項はこの総合規約には見当たりませんでした。個別のサービス規約や個人情報の取扱いページを別途確認する必要があります。申込前に、そのサイトの個人情報ページを一度開いてください。

選び方の基準

ここで選択肢を並べます。「おすすめ」を出す前に、何を基準にしているかを先に書きます。

選定基準

この記事では、次の3点だけで比べます。

  1. 不動産会社に電話番号が渡るかどうか(読者がいちばん警戒している点だから)
  2. 得られる情報の精度(相場の当たりがつくのか、売却の判断に使えるのか)
  3. 公式ページに仕組みが明記されているか(確認できないものは並べない)

売却の成約率や「高く売れるか」は、この記事では比較していません。査定額と成約価格は別物で、サイト間で比較できる公開データがないためです。

比較

ルート 電話番号が会社に渡るか 得られる情報 向いている段階
公的データ(不動産情報ライブラリ) 渡らない(申込自体がない) 近隣の実際の成約価格。物件は特定されない形に加工済み 相場の当たりをつけたいだけ
匿名査定 渡らない 複数社からの概算価格。物件個別の事情は反映されにくい 売却を検討し始めた段階
通常の一括査定(机上査定) 渡る 各社の査定額と根拠。担当者の質も分かる 売却時期が見えてきた段階
通常の一括査定(訪問査定) 渡る 室内の状態を反映した査定額 売却をほぼ決めた段階

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匿名査定の実際の仕組み

匿名査定がどう成立しているのか、公式ページの記載を確認しました。

LIFULL HOME'Sの匿名査定では、入力するのは物件の種別と所在地(町名まで)で、依頼時に氏名・電話番号は不要です。公式ページには「入力いただいた電話番号・メールアドレスは不動産会社に送信されませんので、しつこい営業電話による勧誘などの心配はありません」と明記されています。査定結果は専用ページにログインして確認する形で、詳しく話を聞きたい会社があるときだけ、自分から連絡先を送る仕組みです。

回答実績として「48時間以内に約65%の人に概算価格が届いています」「最大13社、平均4社から届いています」と記載されています(LIFULL HOME'S 不動産の匿名査定、2026-09-02時点)。なお、LIFULL HOME'Sの通常の売却査定側の参加社数は5,134社と表示されています(LIFULL HOME'S 不動産売却査定、2026-09-02時点)。

匿名査定の限界も書きます。 町名までしか伝えないということは、その物件が角部屋か、南向きか、最上階か、リフォーム済みかを会社は知りません。マンションなら同じ棟の取引事例から推測できますが、戸建てや土地は精度が落ちます。「幅のある概算」だと思ってください。

大手だけに絞るという選択

すまいValueは、三井不動産リアルティ・住友不動産販売(住友不動産ステップ)・東急リバブル・野村不動産ソリューションズ・三菱地所ハウスネット・小田急不動産の6社が共同で運営しています。最大6社に依頼できますが、物件の所在地や種別によって査定可能な社数は変動する、と公式サイトに書かれています。個人情報の取扱いは各社のプライバシーポリシーに従う形です(すまいValue、2026-09-02時点)。

連絡先が渡る先が運営6社に限定されるので、「どこから来た電話か分からない」という状態にはなりにくい構造です。一方で、その6社の営業エリア外の物件は対象になりません。

相場だけ知りたいなら、査定を飛ばしていい 🗾

「そもそも査定を申し込まずに相場を知りたい」。これがいちばん多いニーズだと思います。

不動産情報ライブラリの取引価格情報を使えば、申込なしで見られます。使い方の要点は3つです。

  1. 地図から自分の家の周辺を選ぶ(直近5年分が表示されます)
  2. 物件種別を絞る(中古マンション/宅地/中古戸建て)
  3. 面積と築年で近いものだけを見る(ここを絞らないと、まったく違う物件が混ざります)

うちいくらの再集計例

数字を自分の家に翻訳できる形にしておきます。

集計方法: 国土交通省 不動産情報ライブラリの取引価格情報(アンケート調査に基づく公表データ)から、東京都世田谷区・中古マンション・専有面積70〜79㎡・2024年第1四半期〜2025年第4四半期の取引を、うちいくら編集部が抽出して中央値を算出したもの。アンケートに回答があった取引のみが対象で、区内の全取引を網羅したものではありません。元データは上記リンクから誰でも同じ条件で再現できます。

条件 取引価格の中央値(編集部集計)
世田谷区・70〜79㎡・築11〜20年 7,450万円
世田谷区・70〜79㎡・築21〜30年 6,180万円
世田谷区・70〜79㎡・築31年以上 4,720万円

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つまり、世田谷区で70㎡台・築25年のマンションをお持ちなら、6,000万円台前半あたりが一つの目安になります。査定でこれを大きく上回る額が出てきたら、根拠を必ず聞いてください。逆に大きく下回るなら、そこにも理由があるはずです。

この数字を将来の予測に使わないでください。 過去2年の取引がこうだった、という事実にすぎません。ここから「今後上がる/下がる」と言えるデータではありませんし、この記事で相場の先行きを断定するつもりもありません。

売主が不利になりやすい仕組みの話

電話の件数とは別に、知っておくと判断が変わることを2つ書きます。

両手仲介と囲い込み

不動産会社は、売主と買主の両方から仲介手数料を受け取れる場合があります。これを「両手仲介」と呼びます。片方だけなら手数料は1件分、両方なら2件分です。

この構造があるため、他社から「その物件を紹介したい」と問い合わせが来ても、「商談中です」と断って自社で買主を見つけようとする行為が起こり得ます。これが「囲い込み」です。売主にとっては、買主候補が減るので不利になります。

これに対して、2025年1月から制度が動きました。国土交通省は、指定流通機構(レインズ)への物件登録時に取引状況の登録を義務化し、売主が自分の物件への申込み状況を確認できる「ステータス管理機能」の活用を進めています。2025年1月4日からは、不動産会社が売主に交付する登録証明書に、売主専用画面へアクセスするための2次元コードが掲載されるようシステムが改修されました(国土交通省 報道発表、2026-09-02時点)。

媒介契約を結んだら、この登録証明書を必ず受け取って、専用画面を自分で開いてください。 ここを見るかどうかで、囲い込みに気づけるかが変わります。

査定額の吊り上げ

繰り返しますが、査定額は各社の予想値です。媒介契約を取るために高めの額を出す会社があります。契約後、反応が薄いことを理由に値下げを提案され、最終的に他社の当初査定額を下回る、という流れは起こり得ます。

だから、査定額の数字そのものより、「その額の根拠になった成約事例」を見せてもらうことのほうが大事です。事例が出てこない査定額は、比較のしようがありません。

査定額を比べるときに見る順番 査定額は「金額」から比べない × 4社の金額を並べて、いちばん高いところに任せる 1. 根拠事例 どの成約事例を使ったか 年月・面積・築年・価格 出せないなら比較不能 2. 想定期間 何か月で売る想定か 期間が長いほど 高値は出しやすい 3. 値下げ想定 いつ・いくらまで下げるか ここへの答え方に 会社の姿勢が出る

よくある質問

Q. 一括査定を申し込んだら、必ず売らないといけませんか。

いいえ。査定は売却の義務を伴いません。実際、LIFULL HOME'Sの匿名査定ページにも「売却を依頼する義務はない」と明記されています(2026-09-02時点)。ただし、査定を依頼した以上、各社は営業機会だと捉えます。「まだ決めていない」ことは、早い段階ではっきり伝えてください。

Q. 途中で「やっぱりやめます」と言っても大丈夫ですか。

媒介契約を結ぶ前なら、査定を断ることに法的な問題はありません。断ったにもかかわらず勧誘を続けることは、宅建業法の禁止行為にあたります。「御社からの勧誘は今後すべて不要です」と、範囲を広げた言い方で伝えてください。

Q. 電話に出ずにブロックし続けたらどうなりますか。

会社側は「つながらない」と判断して、時間帯を変えて再度かけてくることがあります。結果として着信の総数は増えがちです。1回出て意思を伝えるほうが、多くの場合は早く終わります。どうしても話したくないなら、サイトの問い合わせ窓口経由でメール連絡に切り替えてもらう方法もあります。

Q. 匿名査定だけで売却の判断はできますか。

相場の当たりをつけるところまでは可能です。ただし、匿名査定は町名までの所在地と物件種別だけで算出されるため、その家固有の事情(間取り、日当たり、リフォーム歴、修繕積立金の状況)は反映されません。売却を実行に移す段階では、実際に物件を見た査定が必要になります。

Q. 売ったときの税金が心配です。

譲渡所得や、居住用財産に関する特例など、制度の存在は査定の段階で知っておいて損はありません。ただし、あなたの場合にどの特例が使えるか、いくら納めることになるかは、所有期間・取得費の資料・同居家族の状況などで変わります。個別の判断は税理士に相談してください。 登記や相続がからむ場合は司法書士です。この記事で結論は出せません。

Q. 突然かかってきた電話で「今すぐ売れば高い」と言われました。

かかってきた電話から始まる売却の勧誘は、一括査定とは別の話です。国民生活センターは、自宅を不動産業者に売却した場合はクーリング・オフができないこと、契約が成立すると無条件解除はできないことを繰り返し注意喚起しています。その場で判断せず、家族に相談し、不安なら消費者ホットライン188に電話してください。

最後に

一括査定は、複数社の見立てを短時間で集められる仕組みです。同時に、あなたの連絡先を複数社に同時配信する仕組みでもあります。この2つは分けられません。片方だけもらうことはできない、というのが正直なところです。

だから選択肢は、「連絡を受け入れて、そのぶん多くの情報を取りに行く」か、「連絡を渡さない代わりに、精度の粗い情報で我慢する」かの間のどこかになります。

売る時期が決まっていないなら、後者から始めていいと思います。公的データを見て、匿名査定で概算を取って、それでも足りないと思ったときに、社数を絞って申し込む。この順番なら、鳴りっぱなしにはなりません。

そして何度でも書きますが、査定額は売却価格ではありません。 各社が出してきた数字は、比較のための材料であって、約束ではありません。数字の大きさより、その数字がどこから来たかを見てください。

(本記事の価格・制度に関する記載は、すべて2026-09-02時点で確認したものです。制度や各サービスの内容は変更されることがあります。)

出典