不動産の査定額と実際の売却価格はどれくらい違うのか|成約データで確かめる
査定額は「売れる値段」ではありません。国土交通省の実成約データ54万件を集計する当サイトが、同じエリアでも成約価格がどれだけ散らばるか、査定額が高く出る仕組み、査定の正しい使い方を図解で解説します。
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不動産会社に査定を頼むと「この家なら5,800万円で売れますよ」と言われる。この数字、売れる値段だと思っていませんか? 実は査定額と、実際に買い手がついた価格(成約価格)は別物です。国の成約データ約54万件を集計している当サイトが、その「ズレ」の正体を数字で示します。
▍30秒でわかる結論
- 査定額は「売れるはずの予想値」であって約束ではない。責任も保証もない
- 同じ街でも成約価格は大きく散らばる。世田谷区のマンションは真ん中50%ですら3,000万〜8,300万円の幅がある
- 査定額には高く出やすい構造的な理由がある(媒介契約を取りたいから)
- 対策はひとつ:相場データで基準を持ち、複数社の査定を「分布」として見る
1査定額とは何か——3種類ある
| 種類 | 中身 | 精度 |
|---|---|---|
| 机上査定(簡易査定) | 物件情報だけで算出。現地を見ない | ざっくり。相場の目安 |
| AI査定 | 過去の取引データから機械的に推定 | 即時だが個別事情は反映されない |
| 訪問査定 | 担当者が現地を見て算出 | 最も精緻。それでも「予想」 |
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共通するのは、どれも「この価格で売り出せば、これくらいで成約しそう」という予想だということ。査定額で会社が買い取ってくれるわけではありません(それは「買取」という別の取引です)。予想が外れても、誰も責任を取りません。
2同じ街でも、成約価格はこれだけ散らばる
「予想が難しい」ことはデータで確かめられます。当サイトが国土交通省の成約データを集計した、世田谷区の中古マンション1,470件の価格分布です。
もちろん広さや築年で価格が違うのは当然です。しかし世田谷区の相場ページで築年帯別に見ても、同じ条件帯の中でなお価格は大きく散らばります。階数・方角・管理状態・売り急ぎか否か——最後は「その物件」と「そのときの買い手」で決まるからです。1社が出す査定額は、この広い分布の中に打たれた1つの点にすぎません。
3査定額が「高く出やすい」構造的な理由
仕組みはこうです。不動産会社の収入は売買が成立したときの仲介手数料。そのためにはまず、あなたと媒介契約を結ぶ必要があります。そして売主は、いちばん高い査定額を出した会社に任せたくなる。すると――
高めの査定額を出す → 媒介契約が取れる → 売り出してから「反響がないので」と値下げを提案する
業界で「高預かり」と呼ばれる商慣行です。すべての会社がそうではありませんが、査定額の競争がこの方向に働きやすいことは、仕組み上避けられません。
だから「一番高い査定額=一番良い会社」ではありません。むしろ根拠を説明できない突出した高値は警戒すべきサインです。
4査定の正しい使い方——3ステップ
- 先に、自分で相場の基準を持つ国の成約データで「この街で実際に売れた値段」を確認する。エリア別相場ページは無料・登録不要です。ここが基準点になります
- 複数社の査定を取り、「分布」として見る3社以上の査定額を並べると、だいたいの中心と外れ値が見えます。1社では点、3社なら分布です
- 金額ではなく「根拠」で会社を選ぶ「近隣のこの成約事例と比べて」と説明できる会社は信頼できます。基準(ステップ1)を持っていれば、説明の妥当性を自分で判定できます
5よくある質問
査定額どおりに売れることはないのですか?
あります。ただしそれは「査定が予想として当たった」ということであり、保証されていたわけではありません。売り出し価格の設定と市況によって、上にも下にもずれます。
査定は何社に頼むべきですか?
分布として見るなら最低3社が目安です。1社ずつ探して依頼するのは手間なので、一括査定サービスを使うのが現実的です。当サイトの比較ページで営業電話対策を含めて選べます。
AI査定と訪問査定、どちらを信じるべき?
役割が違います。AI査定は「相場の座標」を即時に知る道具、訪問査定は「この物件の個別事情」を織り込む道具。順番として、AI・相場データで基準→訪問査定で精緻化、が合理的です。
本記事の集計値は国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報(直近8四半期・約54万件)にもとづく当サイトの独自集計です。記事中のリンク先ページには広告(アフィリエイトプログラム)を含むものがあります。